卒業生から見る 慶應義塾の魅力
みんなで支え合うという理念
これまで慶應義塾は日本をリードする人材をたくさん輩出してきたと思います。これからは、日本はもちろんですが、グローバルに活躍できる世界のリーダーとなる人材を育成していってほしいです。
私は現在、姉妹で二つの法人を経営していますが、困ったことがあれば、塾員のみなさんにアドバイスをもらいながら運営してます。
慶應義塾には「維持会」という素晴らしい制度があります。私も昨年から、「塾員みんなで慶應義塾と勉学に励む塾生を支え合う」という理念に賛同し、維持会員になりました。
1万円から始められるので、詳しくは維持会の活動内容を確かめたうえで、ぜひ維持会に参加していただきたいと思います。
塾員が「慶應がこうなればいいのに」という声を上げれば、きっと届くはずです。
慶應義塾で学んだことは
社会で必ず活かされます
伊藤公平塾長も「世界の舞台でリーダーシップをとれる人材を育成したい」とおっしゃっていて、私もそれに共感しています。
そのために我々卒業生ができることを率先して行い、私たち自身が先導者として発信していくことが必要ではないでしょうか。学生に対するサポートといっても、いろいろな形があります。
そのひとつとして、寄付などの資金による支援は非常に大事なことです。慶應義塾が目指していることを理解して、塾員みんなで協力していくことが大切であり、私もできることはやっていこうと思っています。まちづくりも人を育てることも同じだと思います。みんなで次なるフロンティアを目指したいですね。
私の生活に根差した、
なくてはならない存在
私の慶應生活は、高校生の頃から始まりました。入試合格後、SNSで「春から慶應」というハッシュタグで知り合った仲間と入学前から情報共有をし、大学に入ってからはOB・OGの方、アルバイト先の方など多くの塾員の方々と知り合い、良くしていただきました。社会人になってからも、慶應義塾出身というだけで信用を付与されたように取引先の塾員の方々にご愛顧いただいています。その根底には、「同じ慶應義塾出身だから支え合っていく」という考えがあると思えてなりません。私も現在の塾生、あるいは社会人になったばかりの人たちの力になれたら、自分自身のよろこびにつながると感じています。現在に至るまでずっと慶應義塾が私の生活に根差していて、慶應義塾は私のアイデンティティが形成された場所。だからこそ「なくてはならない存在」です。
私は地方出身なので、地方から出て一人暮らしをする不安に共感します。そのような塾生の不安を軽くすることができたらいいなと思い寄付をしました。
金融関連 法人営業
黒田 毬賀君
研究を支えたのは福澤基金だった
2010年から福澤基金の支援を受けて「肺再生」の研究をスタートしました。研究は現在進行形で進んでいますが、一定の結果が出ると段階的に特許を申請し、研究論文を発表します。福澤基金から研究費の助成を得て特許申請を行い、学術メディアで研究結果を公表することで研究が進んでいきました。そして、また資金を得て新たな特許を取得し……と研究をくり返し、最終的には患者さんに届けられるメソッドを確立していくことを目標にしています。
スタート当初から通算で6年間、研究費の助成をいただいていますが、特に研究を始めた頃は助かりました。バックグラウンドもない未熟な研究でしたから、公的資金の助成を受けるには高いハードルがあります。研究資金が確保できないと研究が進まないので、特許申請や研究論文を発表することができなくなる。すると次の研究資金が得られないという負のスパイラルに落ち込んでしまう危惧もあるのです。そんな中、福澤基金の支援によって初期から自由度の高い研究を進められたことは本当にありがたいことでした。
慶應義塾大学医学部内科学教室
石井 誠君
人生を共にし、人生を
教えてくれる仲間ができた
大学卒業後、体育会の活動を含む慶應義塾のさまざまな教育活動が、体育会とも縁の深い小泉 信三先生の名前を冠した小泉基金によって支えられていることを知りました。
小泉基金による現役の学生への支援は素晴らしい取り組みですね。慶應義塾は多様で優秀な学生が集まる学び舎です。体育会で活動している人たちはもちろんですが、そうでない人たちもお互いが切磋琢磨できる環境が整っていると思います。卒業生が当時の自分の姿と照らし合わせ、これまで学び、生きてきた知恵と力を、寄付などを通じて還元していくことは非常に大切なことではないでしょうか。僕も卒業生として母校のために貢献していきたい気持ちでいっぱいです。
僕たち関係者の支援によって慶應義塾出身者が国際的に活躍できる力が育つと思います。いまや働く場所が海外であることは、特別なことではありません。優秀な皆さんのスキルを発揮できる場所は世界中にあるはずなので、自信をもって海外でも自分を表現してほしいですね。
ラグビー日本代表
NTTコミュニケーションズ
シャイニングアークス
山田 章仁君
いつ芽が出るか分からない
基礎研究にこそ支援が必要
福澤諭吉先生がおっしゃった「躬行実践」という言葉があります。塾生のみなさんには、しっかりと議論ができ、自分の意思で行動ができる人であってほしい。そして、これからの社会を変えていってほしいですね。
私はずっと、社会はそんなに簡単には変わらないと思ってきました。しかし、私たちの発信や行動する勇気で、それを少しでも良い方向に変えられるようになると信じたい。慶應義塾で学ぶみなさんには、「躬行実践」を期待します。
寄付をしていただくことは本当にありがたいことです。みなさまの寄付が私たち研究者の大きな力になっています。私は学術的な知見は知的公共財であると思っています。道路や橋などのインフラは公共財として社会の中で多くの人たちの生活に役立っていますが、研究活動という知的公共財もまた社会を進歩させ、人々の生活を豊かにしていくものです。
とくに次世代の知を育み、より良い社会形成に貢献する。そのために学術研究に一層励み、社会を良くしていきたいと考えています。塾員のみなさまにはご理解をいただき、今後も支援していただければ幸いです。
慶應義塾大学総合政策学部教授
中室 牧子君