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2023年度 慶應義塾維持会 常任委員会・懇話会の開催

2023年7月3日(月)、慶應義塾大学三田キャンパスにて、年に一度の「慶應義塾維持会 常任委員会」「慶應義塾維持会 懇話会」が開催されました。
常任委員会は、維持会役員(会長・副会長・監事・常任委員)の皆様が、伊藤塾長、山岸常任理事とともに維持会の今後について議論する会議です。
懇話会は、維持会役員の皆様と、伊藤塾長、山岸常任理事、維持会奨学生が集い、維持会奨学金制度を通して世代を超えた交流が行われる場となっております。
今年も70名を超える方に参加いただきました。
コロナ禍においては、常任委員会は書面開催、懇話会は中止となっておりましたが、今年は常任委員会は対面開催、懇話会はコロナ禍の前と同じ立食形式で開催することができました。

■常任委員会の様子

 

■懇話会の様子
懇話会冒頭で、岩沙弘道維持会会長よりメッセージをいただきました。

維持会のはじまりは、1901年慶應義塾で学門を学ぶ人を支援することから歴史を刻んできましたが、2007年から今の奨学生の形になり、主に地方から出てくる塾生を支援するということで、創設しております。
未来の先導者であり、いろんな分野で志しをもって活躍される塾生を支援をしたいと、懇親会の前に行われた常任委員会で話をしてきました。
先輩として一言話させていただきたいのですが、「我より古(いにしえ)を作(な)す」という「自我作古(じがさっこ)」という言葉が福澤先生の言葉であります。
これは、自分の経験則の考え方にこだわってはいけない、世の中大きく変化しているので、自ら古(いにしえ)となるよう、イノベーティブに挑戦してください、ということを、福澤先生はおっしゃっています。
皆様には、福澤精神をもって、これから進んでいっていただけたらと思います。
今日は、全国から常任委員が参加して各テーブルに分かれていますので、遠慮なく先輩と話をしていただき、実りのある場になることを願っております。

 

懇話会の初めのうちは奨学生の皆さんも緊張していましたが、維持会常任委員の気さくなご様子に打ち解け、すぐに笑顔になり、会話がはずんでいました。





 

最後に、奨学生代表として2名の塾生から、懇話会の感想と今後の目標、維持会への感謝が伝えられました。

維持会奨学金を支えてくださっている維持会の皆様、そして、このような懇話会を企画してくださったすべての御関係者様に、維持会奨学生を代表して御礼申し上げます。
私は将来、創薬につながる基礎研究に携わりたいと考えております。具体的な研究対象などはまだ決めかねており、今は自分の興味関心を大切にしながら、多方面にアンテナを張って、各必修科目の勉強に力を入れております。
また、私は理工学部體育會水泳部に所属しており、先月の対抗試合でも、自己ベストを更新することができました。現在は先輩方の引退試合でもある次の対抗試合でさらにいい成績を残せるよう、日々の練習に励んでいるところであります。
昨年度入学してからこれまで、平日はほぼ毎日、水泳部の朝練に始まり、1限から5限までの必修科目・選択科目で、各方面の世界的プロフェッショナルである先生方から、専門的な内容を教えていただき、通学時間や帰宅後は課題や復習に取り組むという、非常に充実した日々を送っておりますが、これもひとえに維持会の皆様からのご支援によって、学費の負担が大幅に軽減され、アルバイトに充てる時間を激減させることができているおかげであります。
このように塾生生活を存分に楽しませていただいている一方で、将来を考えるための大事な時期でもある今、こうして経験豊富な維持会の皆様と本日沢山お話しさせていただきましたことは、私にとって非常に貴重な時間でした。本日の岩沙維持会会長のお話にもございましたように、私も新しいアイデアから新たな社会的価値を生み出せるイノベーティブな研究者になれるよう、直接お話させていただきました維持会の皆様方からのアドバイスを踏まえ、残りの塾生生活を一層有意義なものにしていきます。本日は本当にありがとうございました。
(宮崎県出身 薬学部2年)

 

この度は私を維持会奨学生として採用していただき、ありがとうございました。
さて、本日はこのような懇話会の場を設け、そして私たちを招待していただき、ありがとうございました。
この維持会奨学金の採用が決まってから、実際に維持会を支える方々にお会いして、まずは、お礼が言いたい、と、そしてどんな方達が維持会員として寄付活動を支援しているのだろう、会員の皆さんがどのような思いで維持会を支え続けているのだろう、と思い、そのようなことを是非、お聞きしたいと思っていたので、本日、この場で皆さんと楽しく食事をしながらお話しすることができて、大変うれしく思います。
私は二年時からの専攻で社会学を志望しています。その中でも特に、日本を含む先進諸国における、相対的貧困や格差の問題についてフォーカスして研究したいな、と現時点では思っています。地方と都会の格差は様々な面で見られますが、慶應義塾は、地方出身者と首都圏の学生がまじりあって、様々な背景を持つ学生が学ぶ場として、格差社会を象徴する縮図のようなところでもあります。私も群馬県出身者として、その格差みたいなものをものすごく感じるわけです。維持会は、特にそのような地方出身の塾生を支える奨学金としてその役割を果たしているわけですが、経済的な支援は心の支援と同じだと思います。心に大きな余裕があれば様々な活動に積極的に参加できます。社会に出ていくうえで社会に対して自分がどういう形で貢献できるのか、考え抜き、維持会の皆さんの支援のおかげで成り立ち、様々なことにチャレンジできる4年間を存分に使いたいと思います。本日はありがとうございました。
(群馬県出身 文学部1年)

あっという間に時が過ぎ閉会となりましたが、脈々と続く社中協力の伝統を目で見て肌で感じた時間は、かけがえのない時間だったに違いありません。
慶應義塾と慶應義塾維持会はこれからも、意欲ある塾生の皆さんを様々な形で支援してまいります。

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