特集記事

一人ひとりの想いに応じて
支援できるのが維持会のよさ
――公認会計士 税理士 やまと総合会計事務所代表 片山 武蔵 君

CONTENTS

  1. 1)慶應義塾維持会に寄付したきっかけ
  2. 2)維持会活動に共感すること
  3. 3)維持会の支援制度について
  4. 4)維持会奨学金を受給する塾生への想い
  5. 5)これからの維持会に望むこと
  6. 6)慶應で学んで印象に残る思い出
  7. 7)慶應義塾とはどんな存在
  8. 8)慶應がよくなるためにやりたいこと
  9. 9)これからの慶應義塾に期待すること
  10. 10)塾員のみなさまへのメッセージ

慶應義塾維持会の終身会員になることで、記念の時計と今後継続して三田評論をもらえることに魅力を感じたという片山 武蔵君。地方出身の優秀な学生が慶應で学ぶことを支援する維持会の趣旨に賛同した片山君が、学生時代の思い出など10の質問に答えました。

 

(Q.1)慶應義塾維持会にご寄付をいただいたきっかけは?


昨年、慶應義塾から送られてきた活動報告のパンフレットを見たのがきっかけです。そこに載っていたのが、地方出身の学生への奨学金による支援があるということ。優秀な若者が慶應で学ぶことを応援するという趣旨に賛同して寄付をさせていただきました。私は卒業148期の年度三田会の幹事や、慶應義塾湘南藤沢高校の同窓会の幹事をしたり、連合三田会の運営の手伝いをしたりして、大学卒業後も慶應とつながりを持っています。
自分ができる範囲で慶應を応援していきたい気持ち、普通部、慶應義塾湘南藤沢高等学校、慶應義塾大学経済学部と10年間学んだ慶應になにか恩返しがしたい気持ちがずっとありました。そこで、30万円の寄付で維持会終身会員になれること。記念の時計や三田評論をいただけることを知ったのです。さらに、終身会員なら一生、三田評論が送られてくることに魅力を感じ、終身会員として支援することを選びました。

高校時代の片山君

 

(Q.2)維持会活動に共感することは?


これまでの人生を振り返ってみると、慶應義塾在学中も卒業後も先輩方からたくさんのことを教えていただきました。食事をご馳走になったことも数知れません。その度に「恩返しは自分にではなく、後輩に同じことをしてあげなさい」と言われてきたように感じています。
義塾で学び社会で活躍している卒業生が母校に寄付し、学生のみなさんの活動を支援するのは、次の世代の先導者を育てるための大切な循環過程だと思うのです。慶應義塾への信頼感があるので、維持会への寄付はきっと実りあることに使っていただけると信じています。

 

(Q.3)年間1万円から始められる支援制度をどう思いますか?


私は30万円の終身会員を選びましたが、年間1万円からの寄付も選択できるのはいいことですね。一人ひとりの経済状況にあわせて選択でき、想いに応じて支援できるところ、寄付の文化をつくれるのが維持会のよさではないでしょうか。
海外の大学では卒業生が母校に寄付して、それが奨学金に充てられるという例は知っていました。今回、維持会の活動報告を見て、慶應でもそれができるのだと嬉しく思います。
私は慶應で学び、公認会計士になり、独立して事務所を構えました。現在の生活基盤をつくれたのは、楽しかった大学生活のなかで公認会計士という職業を知ったおかげです。現在の私をつくってくれた慶應に恩返しの意味を込めて、塾生のみなさんの将来につながる種となる支援ができるのは、ほんとうに素晴らしいことですね。

公認会計士試験を突破した同期の皆と

 

(Q.4)維持会奨学金を受給する塾生への想いは?


塾生のみなさんが卒業されて、将来ご自身の生活にゆとりが出てきたときに同じように義塾に恩返しができる人材になれるよう、大学生活において勉強でもスポーツでも、サークル活動でも精一杯がんばっていただきたいですね。10年後でも、20年後でも今度は自分が維持会を支援するという循環が生まれたら、素晴らしいと思います。だからこそ、塾生のみなさんは今を楽しんで充実させてほしいという想いしかありません。

 

(Q.5)こらからの維持会に望むことは?


塾員のみなさんの中でも維持会のことを知らない人は多いのではないでしょうか。私も今回のパンフレットを見るまで、維持会の存在を知りませんでした。もっと早くに維持会を知る機会があれば、寄付をする卒業生がもっと増えると思います。
私は現在、39歳です。前職時代に病気をするなどして、お金や時間に対する価値観が変わってきました。経済的に少しでも余裕があれば寄付をしたり、時間に余裕があれば活動を支援したりするのもいいと思っています。
一般的には定年退職するまで働いて稼いで、自分で使いきれなくなってから寄付をするという人が多いかもしれません。しかし、30代40代の子育て世代でも寄付していいのではと思います。みんなが若いうちから支援する文化が広がれば、きっと変わっていくはずです。

 

(Q.6)普通部から大学まで慶應で学んで印象に残っている思い出は?


一番感謝しているのは、中学、高校時代に先生方が生徒一人ひとりに平等に接してくださったことです。誰に対しても分け隔てなく接していただけたのは、ほんとうにありがたかったですね。
それに加えて、個性的な先生のユニークな授業は今でも記憶に残っています。普通部時代はモノづくりが大好きで、能條先生の技術の授業はほんとうに楽しい時間でした。当時製作した真鍮のペーパーウエイトは今でも使っているほどです。また、中学・高校とサッカー部に所属していました。あるとき、顧問の斎藤先生が「君たち、1個千円のハンバーガーを食べたことあるか?」と言われ、部活が終わったあとで全員分のハンバーガーを買ってきてくださったのは忘れられません。それくらい可愛がっていただいたということです。ほかにも、挙げればきりがないほど思い出に残る授業がたくさんあった楽しい中学、高校時代でした。
そして大学で公認会計士という職業を知り、その国家資格を目指す道が見えました。Wスクールで学び、卒業した年に無事合格することができ、現在では個人事務所を開業して慶應での学びが今につながっていると思っています。

公認会計士の勉強で使った教科書の数々を広げてみたら…!

 

(Q.7)片山さんにとって慶應義塾はどのような存在ですか?


塾生の間はもちろん、卒業したあとも慶應の多大な恩恵を受けてきました。どこに行っても慶應の卒業生がいて、三田会があります。卒業生であれば、その三田会の輪にすぐ入ることができる。私は、地元の「大和三田会」や、よく行くゴルフ場の三田会、公認会計士三田会、など複数の三田会で塾員のみなさんと交流させていただいています。普段の仕事や生活では交友できない年代の方とも歓談をすることができ、とても貴重な機会です。卒業してからも新しい知り合いが年々増えるのは、三田会だからこそ。大学を卒業してからも、ますます慶應義塾が好きになりました。私にとって、慶應は学生時代も卒業後も楽しい存在です。

 

(Q.8)慶應がさらによくなるために何かやってみたいことは?


慶應のこれまでの伝統を今後もできる限り継承していきたいですね。卒業148期三田会の会計代表や、慶應義塾湘南藤沢高校の学年同窓会の幹事、大和三田会の幹事など、現在所属している組織を微力ながらサポートしていきたいと思っています。現状では、大和三田会などは30代で会員になる人は少なく、全体に高齢化しています。地域の三田会の活動を若いうちから積極的にやっていく人が増えるよう、私たちが受け継いでいきたい。私にできることは、まずはそういうところだと思っています。

 

(Q.9)これからの慶應義塾に期待することは?


もっと、いろいろな活動を発信していってほしいですね。塾員同士のつながりの体験を発信するなど。その点、伊藤公平塾長の発信はとても面白いと思います。塾長と著名人の方との対談など、面白く拝見しています。これまでの枠にとらわれない行動力と発信力に魅力を感じています。このような取り組みが続いていけば、慶應義塾はこれからもますます面白くなるのではないでしょうか。

 

(Q.10)塾員のみなさまにメッセージを!


私は20代の頃、体調を崩して会社を退職せざるを得なくなりました。病気の原因も分からず、治療方法もなく、かなり悩みました。1年くらい、自宅療養をしていました。それまでは、会社で出世することや海外進出することなど、仕事中心の目線で会話をしていたと思います。同級生と話をしても、健康を度外視して働くことが美徳として語られていました。
しかし、今は違います。日々楽しく、健康に生活することが何よりも大切だと気づきました。毎日朝起きて、ストレスをかかえずに仕事をして、夜今日も楽しかったと寝ることが一番の幸せだと思うようになったのです。
現在は地元で会計事務所を開業し、地元の経営者さんの事業を支援しています。毎日の時間の流れがゆったりと感じられるようになりました。自分の余裕のある時間を仕事に費やすのではなく、社会貢献活動を含めて、義塾への寄付や支援活動に使っていきたいと思っています。塾員のみなさんも、自分が幸せだと感じるような時間の使い方を、もう一度自問してみてはいかがでしょうか。

※掲載内容は2023年7月18日現在のものです。

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