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三田オープンカレッジにて1994年三田会の皆様による協賛講座が開講されました

2019年5月11日(土)、万緑の三田キャンパスにて「慶應義塾 三田オープンカレッジ」の初回授業が行われました。

三田オープンカレッジは、生涯教育とリカレント教育を目的とした社会人向けの新講座です。常に知識をアップデートし続けることが求められる時代に対応するため、慶應義塾では、多くの人々が幅広い分野の知識や教養に触れることができる場を提供しています。
自治体や非営利団体との共催によるものもあり、内容は非常に多岐に渡ります。
5月開講の講座はすでに募集を終了しておりますが、9月開講の講座もございますので、関心のある方はぜひ参加をご検討ください。

<三田オープンカレッジ 公式サイト>
https://www.moc.keio.ac.jp/moc/asp-webapp/web/WTopPage.do

5月11日開講の講座「社会の課題を解決する“持続可能な開発目標(SDGs)”を考える」は、1994年に慶應義塾大学を卒業された1994年三田会の皆様による協賛講座です。
2019年に卒業25年を迎えた記念として、塾員をはじめとする社会人の生涯学習を支える講座が実現したことは、大変意義深いことです。

「社会の課題を解決する“持続可能な開発目標(SDGs)”を考える」第1回『主題:世界の持続可能性に関する課題』にご参加いただいた皆様に、感想をお聞きしました。

「受講生の積極的な姿勢に驚きました。」
「CSRやSDGsに関する講座数はまだ多いとはいえません。また、開設されているものは専門的すぎたり、高額であったり、平日開催であったり、など、条件に合わない場合も多いです。その点、本講座は参加の条件が揃い、嬉しく思っています。」
「情報や知識を直接獲得する場があることは有難いです。」
「パリ協定とSDGsなど、具体的なトピックとSDGsの関係を分かりやすく説明していただき、勉強になりました。」
と、内容についてはご好評をいただきました。

「本講座参加者で勉強会や活動サークルの形成もやってみたいです。」
「在学中よりも熱心に講座を受講した気がします。私のように卒業後に『学びたい』という欲求を持つ人間は少なくないのではないでしょうか。」
「慶應義塾には生涯教育の拠点として、学生のみならずあらゆる世代、背景を持つ人に開かれた学びの場や機会を提供しつづけてほしいです。」
「一度大学を卒業してしまうと、大学と関わる機会はあまりありません。卒業後も継続的に大学と関わりを持てる取組みがもっとあると良いです。」
といった、今後の三田オープンカレッジへのご要望もお聞かせいただきました。

また、
「大学で良い教育プログラムが実施されていても、知られていないことが多いです。もったいないと思います。」
というご意見もいただいております。
頂きましたご意見は、三田オープンカレッジの今後の運営において、貴重な参考意見とさせていただきます。誠にありがとうございました。






また、今回の協賛講座の主催者である1994三田会様の代表として、國分様と光成様にもお話を聞かせていただきました。

國分 晃 様

Q. 卒業25年記念事業の1つとして、協賛講座を設置されたきっかけを教えてください。

もともと、1994年三田会で寄附講座をやりたいという話はあったが、具体的になったのは前年の秋ごろ。同じ時期に慶應義塾では三田オープンカレッジ開講の話が持ち上がっていて、1994年三田会の意向も段々と同じ方向を向き始め、三田オープンカレッジの協賛講座として開設することになった。

1994年三田会には、今回のコーディネーターでもあり講師でもある光成美紀君を始めとして、蟹江君、山田君など、講師として素晴らしい人材がいて、他にもお願いできる人が沢山いるじゃないかと話が広がっていきました。

Q. 講座設置で大変だったことは何ですか。

卒業25年の記念事業としては、“1994年三田会記念大学奨学金”への募金活動があり、実は、寄附講座の話は2018年5月のキックオフから半年遅れて立ち上がった事業だったんです。

法人による講座設置(寄附講座)というのはありますが、卒業生がそれも年度三田会による講座設置というは初めての事だったので、色々大変でした。
(※)今回「1994年三田会協賛講座」として実現しました。

資金も別途集める必要がありましたので、開講ギリギリまで寄付のお願いに回っていました。
結果としては、当初の計画以上の寄付が集まり、今回の講座の「社会の課題を解決する“持続可能な開発目標(SDGs)”を考える」というテーマも、近年の話題に合っているものが出来て良かったと思っています。

Q. 後輩に向けて一言お願いします。

協賛講座の設置については、「先輩の代がやったからやる」という入口から入っていくと実現は難しいと思います。メインの卒業25年記念事業がある忙しさに加えて、様々な調整を伴うため簡単にできる事ではないので、先ずテーマを決めて周りに熱意のある協力者がいるという入口から入っていけるのであれば良いと思います。

光成 美紀様

Q. 協賛講座設置への想いを教えてください。

慶應義塾は日本では最も多くの寄付を集める大学ですが、海外の大学、特に米国の大学では税制が異なることが背景にあるとはいえ、はるかに多くの寄付金を得ています。
奨学生だけでなくて、大学に残る形の寄付ができないか、また寄付プログラムとして、1994年三田会と大学との接点が広がるような取り組みができないかと思っていました。

また、(もともとは、在校生向けの寄附講座を考えていたため、)卒業25年事業として、奨学金というキャッシュ(ハード・マネー)での金銭的な支援だけでなく、これまでの社会人生活などで培った実務や知見(ソフト面)を、塾生の皆様と共有できないかと考えていました。

全学部に通じるテーマは限られていますが、今回の協賛講座テーマとした“SDGs(持続可能な開発目標)”は、あらゆる学部の分野や卒業後の実務にも関連していることから、1994年三田会のなかでも学部の垣根を越えて、各学部からのメンバーが貢献できるテーマだと考えました。
また、卒業25年後の知見を共有することで、在校生にも今後の社会的な課題を実務の第一線にいる講師の話から、考えてもらえるきっかけになればと考えていました。
結果として生涯学習という形で、三田オープンカレッジに協賛講座を持たせて頂き、社会人の方々とのつながりができて、よかったと思っています。

Q. 講座設置で大変だったことは?また、良かったことは何ですか。

1994年三田会にたくさんの素晴らしい講師候補者がいて、外部講師を含めた8回に絞り込むのがたいへんでしたが、多様性のあるテーマ構成にすることができたように思います。
受講生の方が多く参加され、関心も高く、積極的に授業にも参加して頂いて嬉しく思っています。

Q. 後輩に向けて一言お願いします。

慶應義塾、塾員、社中という仲間と共に、時折、塾外にもネットワークを広げて活動してみて頂きたいと思います。慶應義塾の良さも再認識できるような気がします。

Q. 最後に、これからの大学にできること、慶應義塾に期待することについて他にあればお聞かせいただけますか。

●海外留学経験者の交流の場の創設
個人的な経験からの意見になりますが、私自身がアメリカの大学院に留学する際、どのような大学がいいのか、またどんな生活なのか、卒業後にどのようなキャリアが描けるのかなど、わからないまま、いわゆる留学ガイドなどを見ながら、応募していました。
(MBAの卒業生などに話を多少聞きましたが、私の応募する環境学の米大学院への留学生が、当時、私の周りにいなかったという事情もございます。)

慶應義塾の卒業生で海外の大学院に留学している方は多数いますが、その経験を共有して頂く場が、現在、大学内にはないように思います。留学経験者から話を聞いたり、応募資料作成のコツ、推薦状の依頼方法なども聞いたりすることができれば、慶應義塾から海外大学への留学生が増える可能性も高く、また帰国後のネットワークにもつながり、色々な面で有意義な効果が生まれると思います。

●海外有力校とのネットワーク強化
シンガポールや中国など、アジアの大学と欧米主要大学との連携が進んでいるようです。慶應義塾が、日本のトップ私立大学としてネットワークを強化して頂き、海外からの実務家や研究者を招致したシンポジウムなどを、多様な分野で開催して頂けると、卒業後も大学に行く機会も増えて嬉しいです。

※掲載内容は2019年6月11日現在のものです。

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