特集記事

光成 美紀 様インタビュー
2019年7月6日:1994三田会協賛講座(三田オープンカレッジ)

Q.1 今回の協賛講座を終えられて、どのような感想、手応えをお持ちですか?

テーマを含め、大変有意義な取組みであったと感じています。本講座は、50名近い方々に受講いただきました。他の講座の参加者数よりも多かったと伺い、テーマにも高い関心を寄せて頂いてよかったと思っています。

Q.2 開講時のインタビューで1994年三田会代表の國分晃様から年度三田会として寄付を集めてこのたびの協賛講座を開設するまでに様々なご苦労をされたというお話を伺いました。
光成 君は、本講座開設にあたってはどなたと相談されましたか?また実際に準備を進められるにあたってどのようなご苦労をされましたか?(それをサポートしてくれた方や組織はありましたか?)

協賛講座を設置したきっかけは、昨年初めの新年会で、経済学部でクラスメートだった、会計部会長の須賀 君と奨学金以外に何か寄付プログラムができないか雑談をしていたことです。私たちが大学在学中の1992年、「地球環境学講座」(東京海上日動火災海上保険株式会社(当時は東京海上火災保険株式会社)寄附講座、義塾側コーディネーターは細田 衛士 経済学部教授)がありました。「地球環境学講座」は講師陣をオムニバス形式で揃えていました。当初は同講座をモデルとした寄附講座の設置を検討しましたが、同期で大学側の担当をしてくれた経済学部の山田篤裕教授が池田経済学部長にお話し頂き、「三田オープンカレッジ」の下での取り組みとしてはどうかとのご助言を頂きました。その後、大石常任理事からもご賛同頂き、現在の形に行き着きました。多様なトピックを取り扱うSDGsも、様々な講師が専門知識を教えるオムニバス形式の講義のほうが適しているのではないかと思い、義塾側の事務局と協議させて頂きました。義塾の事務局の皆様にご高配頂き、一人の講師が開催学期中のすべての講義を受け持つことが原則である三田オープンカレッジで、オムニバスによる講義形式を特例措置として認めていただきました。

SDGsをテーマとすることは早い段階で決まりましたが、講師のラインナップの調整には時間が掛かりました。具体的には、義塾出身者(1994年三田会メンバー)と外部招聘講師のバランスをどう取るかということです。私自身、明治大学大学院でSDGsの前身となるCSRに関する講師を4年間担当したこともあり、講座の構成や講師のイメージはありましたが、1994年三田会の協賛講座として受講生の方々の関心や講座の魅力などを勘案し、1994年三田会内の25周年部会メンバーと協議を重ね、2019年1月頃に最終決定に至りました。

Q.3 元々は在校生向けの寄付講座を考えていたとのことですが、今回の三田オープンカレッジでは主たる受講生は社会人です。SDGsは社会人の方々の関心の高いテーマですが、どのような反応がありましたか?

参加者の皆様は総じてSDGsに高い関心をお持ちだと嬉しく思いました。質問のレベルも高いですね。この種のプログラムはどこも似たような講師陣になりがちですが、多様な分野の卒業生、外部エキスパートをブレンドさせることでオリジナリティが出せたのでないかと感じています。このような場で、これまでのキャリアを通じて得た知見を共有して頂けるメンバーは同期に限らず塾内・卒業生にもまだまだ沢山いるのではないかと思いますので、実は講師陣には事欠かないテーマだと思いました。受講生のアンケート結果からも高く評価頂くと共に、アドバンス・レベルのSDGs講座にも興味があるとのご意見を複数頂きました。
細かいことですが、講義内容をディスカッション形式にしたり、そのために教室のセッティングを円卓にするなどの工夫もできるかもしれません。講義開催時間も平日夕方など、社会人の方が受講しやすいスタイルにするのもよいかもしれませんね。

Q.4 義塾には半学半教という精神があります。光成 君はご自身も慶應義塾で学ばれ、さまざまな経験を積まれて今回は講師・コーディネーターという立場で義塾の教壇に立たれた訳ですが、講座を通して半学半教を感じられたことはありましたか?

今回の取組みを通じて、在学中は殆ど面識のなかった同期の講師をはじめ、多くの1994年三田会のメンバーと親しくなることができました。「横のひろがり」を通じて学ぶ点が多かったです。また、今回の講座の受講生には、義塾の卒業生の方も多いようでしたので、「縦のひろがり」が実現できることも期待しています。また、義塾の卒業生に限らず、同じ関心をもつ方々と、学びあえる機会ができたことは、三田オープンカレッジの素晴らしいところだと思います。いま、受講生の方々との継続的な懇親会も企画しています。

福澤先生の「自我作古」や「半学半教」といった教えは、卒業後の年月を経た今だからこそ理解が深まったように思います。卒業25周年記念事業を通じて、同期や慶應義塾の関係者の皆様にご理解頂き、今回のオープンカレッジでの1994年三田会協賛講座を実現させて頂くことができ、とても感謝しています。「学び」を通じて人的ネットワークを広げていく、福澤先生の教えを少しずつでも私自身が実現していくことができれば嬉しいです。

Q.5 今回の取り組みについて慶應義塾に対して今後期待されること、また三田オープンカレッジに関心のある方々へのメッセージをお願いします。

三田オープンカレッジには既に多くの有意義な講座があるように思います。今回のアンケートにもありましたが、慶應義塾の「三田オープンカレッジでだからこそ受講できる講座」の認知を広めることで、より多くの方に参加して頂けるのではないでしょうか。社会人になってから、社外や違う業界で、同じ関心を持つ方々と出会える機会はまだそれほど多くないので、講座を継続していくことはネットワーキングの場のひとつにもなるかと思います。

※掲載内容は2019年8月23日現在のものです。

Page Top