維持会奨学生からのメッセージ ー東京都出身

東京都出身

この度は、慶應義塾維持会奨学金に採用して頂きありがとうございます。維持会を支えてくださっている全ての皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
私は、二年生の時からこれまで三年連続で維持会奨学金に採用して頂いております。この三年間を振り返ると、やはり私の大学生活は家計の困窮と学業の両立に常に悩み、葛藤するものでありました。しかしながら、大学に継続的に通うことができ、学士課程の最終学年である四年生にまで自分が進級することができた今、改めて私の学校生活がどれだけ慶應義塾維持会奨学金によって救われてきたかを強く実感しています。そして、今年度もまた皆様のお力添えを頂き、経済的な苦難を減らし、勉学に励む時間を手にすることができることに感謝の気持ちでいっぱいです。
私には、大学入学前から抱いている夢があります。それは、英文学の研究者になることです。二年生の時に、父が自己破産の選択に迫られ、自身も大学を退学し家計を支えることに専念しなくてはならない状況に至った時、初めて慶應義塾維持会奨学金に採用して頂きました。そして、懇親会で維持会の皆様とお話をする中で、自分の学業は自分ひとりで成立しているものではなく先生方や友人、家族そして何より維持会を支えてくださっている皆様のお力があってこそ継続できるのだと感じるようになりました。また支えてくださっている皆様に対して自分が今できることは、学問に真摯に取り組み、研究者という夢を叶えるということなのではないかと考えました。それからの日々は、アルバイトをしていても勉強をしていても、常に「自分はひとりじゃない」という気持ちで夢に向かって邁進することができました。
こうした「ひととのつながり」の感覚は、文学研究においても提唱できることです。何世紀にもわたって、ひとは文字を通して「感情」を記して参りました。時代も場所もまるで異なるのに、人間は文学を楽しむことができます。これはつまり、ひとは文字を通して数多の感情と共鳴しあっているといえるのではないでしょうか。作家の文体を追い、文字に隠された感情を読み解くという私の研究の日々は、これまで実生活で経験した「つながり」を根拠とし、自信を持って続けることができています。研究者として、次の世代に「つながり」をわたせる存在になれるよう日々精進してまいります。改めて慶應義塾維持会の皆様に心より感謝申し上げます。

東京都出身 文学部4年(2025年度)


この度は2025年度慶應義塾維持会奨学生に採用していただき、誠にありがとうございます。地方出身者優先である中で採用いただけたこと、また昨年度に引き続き採用してくださったこと、心から感謝申し上げます。奨学生としてご支援いただけることを大変嬉しく感じるとともに、より一層勉学に励もうと身の引き締まる思いです。
私は父が非常勤講師、母は非正規雇用と家計が不安定な状況にある中、今年度から父の収入が減少したことで大学での勉学を継続していけるか不安を感じていました。そして、法曹コース早期卒業の制度での大学院進学を目指しているため、大学の勉強とアルバイトを両立させていくことに体力的精神的な苦痛を感じている状況でした。その中で奨学生としてご支援いただけることで、アルバイトの時間を減らしてより勉強に割く時間を増やせるようになりました。
私の将来の夢は、語学力を兼ね備えた法曹になることです。今後日本国内では、海外との関係は切っても切り離せないものになることでしょう。それに伴って法的な紛争が発生することも想定されます。その際に、語学力や相手国の法的知識を兼ね備えていることで、そうした問題の解決に貢献できると考えています。この夢を成し遂げるために、大学での授業を大切にしています。まず、法曹コース早期卒業の制度を活用して、法科大学院法務研究科に進学するため、特に大学の法律の授業を重視しています。2年生となり、演習系の科目で昨年度学習した法律の知識を土台に、実際にどうやって事例を解決し、答案に落とし込んでいくかを学んでいます。自身の知識や実践力がまだまだ未熟だと痛感しつつも、法的な根拠を伴って理論的な解決を図る過程に面白さを感じています。また、中国語インテンシブコースに在籍し、昨年度から引き続き語学力に磨きをかけています。慶應義塾の素晴らしい教授の方々や、レベルの高い仲間のなかで学べる事に感謝しつつ、日々刺激をもらっています。
維持会奨学金に採用していただいたからには、このように勉学により一層励み将来塾員として皆様のように今後の義塾の発展に貢献できるような人材となれるよう、努力を重ねる所存です。こうして社中協力の精神息づく慶應義塾で学べていることに大変感謝するとともに、その学びを支えてくださっている維持会の皆様に重ねて御礼申し上げます。

東京都出身 法学部2年(2025年度)


このたびは慶應義塾維持会奨学金の奨学生にお選びいただきまして誠にありがとうございます。今はご支援をいただきましたおかげで経済的、精神的不安が解消されました。今までは経済的に苦しいためアルバイト優先の生活をしておりましたがこれからは課外活動として取り組んでいる基礎医学研究室での研究の時間を増やし将来の目標に向かって頑張ります。
将来の目標はグローバルな舞台で臨床と研究ができる医師です。日々患者さんと直接向き合うなかで、医療的課題が見つけ、その課題を解決するために研究に取り組み、新たな治療法や診療法を生みだしたいです。そのために大学時代に取り組みたい課題は次の3つです。第1に医学の勉強です。普段の学校の授業はもちろん、今年は病院実習に参加するためのテストもあるのでその勉強も頑張ります。そして実習も頑張ります。第2に基礎医学の研究です。大学の単位には認められませんが1年生の時から細胞組織学研究室で研究をし、今年の7月に開催される学会でのポスター発表を目標に取り組んでいます。指導教官からはいつも丁寧なご指導をいただいており昨年も学会でポスター発表ができました。2日間に渡り発表し多くの方から質問をしていただき視野が広がったことを実感できました。今年の学会発表も楽しみにしています。第3に2つの課外活動です。1つ目は医学空手部で、昨年は黒帯に昇級し大会では優勝しました。今年も入賞を目指して練習します。2つ目は医学サークルの精神医学研究会と総合診療科勉強会です。今年は座学だけでなく実習にも参加し様々な世代と交流を積極的に行い知識や知見を増やすように努力します。そして将来は患者さんに優しく患者さに信頼される豊かな人間性を有する医師を目指します。
4年生は病院実習が始まる学年でその準備もあり、アルバイトの時間を確保するのが難しくなってきたのでこの度ご支援をいただけまして安堵しています。この御恩を忘れることなく皆様のご支援に応えられますよう日々精進いたします。

東京都出身 医学部4年(2025年度)