維持会奨学生からのメッセージ ー山口県出身

山口県出身

この度は、慶應義塾維持会奨学生に採用していただき、家族一同大変感謝しております。
いただきます奨学金は、全額学費に充てようと考えております。
私は幼い頃より「学ぶ」こと全般に強い興味があり、特に数学、情報学や社会科学など、抽象的な理論と具体的な現象を自在に行き来できる学びの力に魅せられてきました。中学、高校と進むにつれ次第に人工知能の理論やそれを現実に応用することに興味を持ち、将来はこのような職につきたい、と思うようになり、その最高峰である慶應義塾大学の理工学部に進学しました。
入学後はまず、教授の方々の広く細やかな知見と深く鋭い洞察に驚かされました。誰も彼も、1つの視点だけで物事を見ること無く、ときに分野すら異なる領域から同じ問題に向き合うという姿勢や、身近な例から思考を深めていく経験は自らの視野を大幅に広げるとともに、自らの将来の目標をより具体的にするきっかけとなりました。学部1年生という時間は、学べば学ぶほど、もっと学びたい、もっと知りたいという、将来へのステップアップを感じさせる1年間であるとともに、AIをより身近で便利なものに、具体的には世間話のように抽象的な会話から具体的な対象を推定できるAIを開発したいという自らの将来の目標を定めるきっかけとなるものでした。
しかしながら、私の家庭は決して裕福とは言えず、さらに20年のコロナ禍により、父の勤める会社も打撃を受け、時間は経ったもののいまだに収入が回復していない状況でした。また、母も重度のアレルギーにより、とても働くことがままならない状況です。そして、私は実家の山口よりも物価の高い関東で一人暮らしをしなければならず、いくら切り詰めても家賃や食料費、さらに毎年の学費により、両親にさらなる負担を強いている状況でした。
そんな中、慶應義塾維持会の皆様からの温かいご支援をいただけるというお知らせをいただき、私は感激いたしました。すぐにこのことを両親に伝えたところ、両親も金銭的な負担が軽減されたためか、喜ぶとともに安堵された様子でした。
今後はより一層勉学に励み、幅広い学問分野に興味を持つという自らの持ち味を活かしながら、数理科学科で学び、将来の大学院進学、その先へと邁進する所存です。末筆ながら、重ねて慶應義塾維持会の皆様からの温かいご支援に厚く御礼申し上げます。

山口県出身 理工学部2年(2024年度)


この度は、慶應義塾維持会奨学生に採用していただき、誠にありがとうございます。昨年度に引き続き本奨学金をいただけますことに、家族一同、心より感謝申し上げます。
私の弟は、起立性調節障害という病気を患っており、体調が不安定である上に明確な治療法もないため、看病をしている母はいつ働き始められるかわからない状況です。父は正社員として働いていますが、家計の収入は多くありません。私自身も、今年度から本格的に実習が始まり、十分にアルバイトができず、一人暮らしにかかる生活費や家賃で家計へ負担をかけてしまっていることに不安を感じておりました。このような状況下で、本奨学金をいただき、学業を継続できることに大きな喜びを感じております。
昨年度は、上京して不安な気持ちだった私も友人や先輩に恵まれ、独立自尊の精神のもと、新たな環境でアルバイトやサークル活動に励み、学業にも専念できた一年間となりました。一般教養科目では、他学部の人と関わることで自分とは異なる価値観を持つ人との交流を深め、専門科目では、薬学の基礎を学ぶとともに医療人としての在り方を考えることができました。
今年度は2年生に進級し、芝共立キャンパスでより専門的な薬学の知識を学ぶだけでなく、実習を通して実践的な技術を学んでいるところです。春学期前半に行った有機化学系の実習では、有機化合物の合成と同定の難しさを痛感しつつも、他者と協力しながら問題を見つけて考察し、解決へ導く面白さを感じております。
将来は、薬剤師免許取得後に、病院薬剤師としてチーム医療に携わりたいと考えています。人工知能の発達により、様々な職業がロボットに奪われるのではないかと危惧されていますが、私は人間にしかできないことにこだわり、患者とその家族を第一に考える医療人として医療に貢献していきたいです。在学中は、実務実習の中でコミュニケーション能力を培ったり、難治性の疾患に関わる薬物動態学や臨床薬学に関わる研究をしたりして、将来の自分に繋がるよう、日々学び続けいていく姿勢を大切にしたいと思います。
最後になりましたが、慶應義塾維持会の奨学生に選んでいただいたことに改めて御礼申 し上げます。この御恩を忘れずに、今後も慶應義塾維持会奨学生の名に恥じぬよう努力を続け、慶應義塾、社会の発展に貢献できるよう精進していく所存です。

山口県出身 薬学部2年(2024年度)


この度は、慶應義塾維持会奨学生に採用していただき、心から感謝申し上げます。
頂きます奨学金は、すべて学費に充てようと考えております。
今年4月より弟が私立大学に進学したのを機に、2人暮らしができる家に転居した上で弟との生活を始めました。私は奨学金(貸与)を受けており、アルバイトを掛け持ちしていますが、研究や就職活動で思うように収入が得られず、弟もアルバイトを開始したとはいえ、家賃、学費等の負担は非常に大きい状態にあります。また、母は高齢の祖父母が営む旅館を手伝う必要があるためパートとして働くことが難しく、家族全体が地方公務員の父に頼っている状況です。しかし、今回維持会奨学生に採用していただいたことで、私自身はもちろん、親への負担を軽くすることができ、維持会の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
幼い頃から憧れを抱いていた慶應義塾大学に入学して、早いもので5年が経過し卒業までのカウントダウンが始まりました。大学生になると同時に親元を離れる生活が始まり、不安は非常に大きかったものの、大学でたくさんの人、たくさんのものに出会うことができ、次第に不安は消え、夢中で大学生活を送りました。また、慶應だからこそできた経験も数多くあり、多方面で強いつながりをもつという慶應の強みを実感するとともに、その一員になれた喜びを感じました。1つ1つの出会いが刺激となり励みとなり、今の私が作られたのだと実感しています。
将来は、「多くの人に喜んでもらえる商品を提供したい」という思いのもと、以前から興味があったメーカーであらゆる側面から人々の笑顔に貢献していきたいと考えています。
残りの大学生活、そしてそれ以降の人生でもさまざまな経験を積み、視野を広げ、向上心を持ち続けて、自分を磨いていきたいと思っております。そして、慶應の名に恥じぬよう、勉強する姿勢を忘れず、努力していく所存です。
最後に、慶應義塾維持会奨学生に採用していただいたことを改めて感謝いたします。慶應義塾維持会の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

山口県出身 薬学部6年(2023年度)