維持会奨学生からのメッセージ ー神奈川県出身

神奈川県出身

この度は、慶應義塾維持会奨学金の奨学生として採用いただき、心より感謝申し上げます。神奈川県出身であるにもかかわらず、奨学生として推薦していただいた維持会の皆様に心より御礼申し上げます。
私の家庭は、父が単身赴任を始めたことにより、家計が非常に厳しい状況にあります。単身赴任により家賃や光熱費などの生活費が増加したため、今後の家計の見通しが不透明でした。私自身も少しでも学費に充てるためにアルバイトに従事する時間を増やすことを検討していましたが、貴会よりご支援をいただいたことで、学業に打ち込む時間を確保できることを大変嬉しく思っております。同時に、奨学生として恥じぬよう自覚と責任を持ち、より一層勉学に努めてまいります。
私は在学中、ゼミ活動を中心に思考力を鍛えたいと考えています。ゼミではディベートとソーシャルプロジェクトの2つを中心に取り組んでいます。ディベートでは論理的思考力を身につけることを目指し、相手の意見を聞き、それに対して説得力のある意見を論理的に展開する力を養いたいと思っています。また、ソーシャルプロジェクトでは、実際にフィールドに出向き、現地の問題を発見し解決に向けた活動を行うことで、実証的思考を身につけたいと考えています。
このような大学時代の活動を通じて、将来は食品業界で働き、人々に食の大切さを伝えたいと考えています。具体的には、私自身が経済的な理由で食事回数が減らすことや、栄養バランスを無視した食生活を送った結果、授業に集中できず、部活動でも十分に力を発揮できなかった経験があります。こうした経験から、食は誰にとっても欠かせないものであり、健康を維持するために重要であると強く感じるようになりました。このため、商学部で学んだマーケティングの知識を活かし、食に対する意識を高めるための活動を続けていきたいと考えています。
皆様のご支援により、これまで以上に学業や課外活動に打ち込むことができます。奨学生としての責任を自覚し、日々の努力を惜しまず、社会に貢献できる人材となるよう精進してまいります。
改めまして、ご支援をいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

神奈川県出身 商学部3年(2024年度)


この度は、慶應義塾維持会奨学金における奨学生にご選出いただき、誠にありがとうございます。私の家庭の経済力では、私自身が学費を稼ぐ必要があるところ、慶應義塾維持会の皆様のご支援により、より多くの時間を勉学ならびに研究活動に当てることができております。本御礼状では、私が取り組んでいる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究活動について述べさせていただきます。
ALSは運動ニューロン(MN)の変性により全身の筋力低下を特徴とする神経難病で、発症後平均余命は2-5年です。ALSの病態を知り、患者さんに何かできることはないかと思い、医学部生理学教室(岡野研究室)にてALSの克服に向けた研究に携わってきました。具体的には、当教室においてALS患者さんより作成した人工多能性幹細胞由来MN(iPSC-MN)を用いたドラッグスクリーニングによって同定され、治験においてその有効性が示唆されたロピニロール塩酸塩(ROPI)という薬剤についての研究に携わっております。私のこれまでの研究により、iPSC病態モデルがROPI治療反応性を反映すること、ROPIがiPSC-MNにおけるコレステロール合成(CS)を抑制すること、CSが亢進する遺伝的背景を持つ患者さんにおいてROPIがより効果を発揮することを示しました。これらの結果から、ROPIは、MNにおけるCS抑制によって抗ALS効果を発揮することが示唆され、CS抑制がALS治療戦略として有用である可能性を提唱しました。これらの研究成果は、第64回日本神経学会学術大会 学生・研修医演題(最優秀口演賞受賞)、第65回同大会 学生・研修医演題(優秀口演賞受賞)、第13回東日本研究医養成コンソーシアム(優秀賞受賞)、第41回日本神経治療学会学術集会、Society for Neuroscience 2023にて学会報告を、国際誌Cell Stem Cell(共著)、J Neurochem(共著)、medRxiv(筆頭)にて論文報告を行いました。
上記のように、医学生として医学の勉学に励むだけではなく、研究活動にも没頭することができているのは、偏にご支援くださる慶應義塾維持会の皆様のおかげであります。将来は、基礎研究と臨床現場の双方を理解し繋ぐことのできる医師、すなわちphysician-scientistとなり、ALSをはじめとする現在の世界が抱える数々の治療困難な疾患を克服したいと考えております。福澤諭吉先生は慶應義塾の目的において、「全社会の先導者たらんことを欲するものなり」と述べられており、私も神経変性疾患領域における医師ならびに研究者として、将来の医学を先導していけるよう精進していきたいと考えております。

神奈川県出身 医学部5年(2024年度)


この度は、慶應義塾維持会奨学金に採用していただき、誠にありがとうございます。地方出身の方が優先とされる中、神奈川県出身であるにも関わらず、選出していただき、心より感謝申し上げます。
私の家の家計状況では、薬学部の6年間の学費をすべて捻出することが困難でした。貸与型の奨学金を受給してはいますが、将来のことを考えると負担が重く、慶應義塾維持会奨学金に採用していただき、家族共々心から感謝しております。
私は医療従事者に憧れを抱き、その中でも薬のプロフェッショナルである病院薬剤師に惹かれ、薬学部に入学しました。薬学部で学び、卒業後、様々な形で社会に貢献する方々の講演を聞くうちに、研究職にも興味を持つようになりました。明確な目標は決まっていませんが、薬学部で学んだことを活かして社会に貢献できるようになりたいです。将来については研究室活動や実務実習に取り組むうちに考えていきます。
私は現在、薬物療法や病気のことなど薬に関することや、薬剤師に関係する法律など薬剤師になる上で必要な知識を学んでいます。3年生の秋からは実務実習に行くための実習が始まり、服薬指導など臨床現場で求められる実践的な技能を身に付けられるよう取り組んでいます。4年生では実務実習にいくための筆記試験と実技試験が行われます。1つの節目であると考えているので、今までに学んだ内容を振り返り、来年には臨床現場に出るのだという自覚をもって学業に取り組んでいきます。
また、フェンシング部に所属し、活動しています。世界で活躍するような人から大学で始めたような人まで、様々なレベルの人がいます。それぞれの価値観をもった人達と活動することで、勉強だけでは得られない経験を積んでいます。この3年間で選手としても、人としても成長できたと思います。学業との両立は簡単ではありませんが、どちらもおろそかにすることなく、努力していきます。
皆様のご支援のもと、学業や課外活動に打ち込むことができることを大変誇りに思います。皆様のご期待に応えるべく精進いたします。重ね重ねにはなりますが、この度は慶應義塾維持会奨学生に採用していただき本当にありがとうございました。

神奈川県出身 薬学部4年(2024年度)