維持会奨学生からのメッセージ ー神奈川県出身

神奈川県出身

この度は慶應義塾維持会奨学金に採用していただき、誠にありがとうございます。
地方出身の方が優先とされる中、僅かな希望を抱いて応募させていただきましたが、選出していただいたことに大変感謝しております。世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、家業の経営が悪化し、経済的に厳しい状況でしたが、今回、奨学金のご支援をいただいたことで、慶應義塾での学業の継続が叶いました。
私は、将来は弁護士として、救急病院のように誰もがいつでも利用できる法律事務所によって、社会問題の解決に貢献したいと思っております。
この目標に至った経緯としましては、私自身の幼少期の経験が根強く関係しております。
私は幼少期から家庭内暴力を経験し、誰にも頼ることができず、長い間苦痛を受けておりました。身内も法律に疎く、すぐに弁護士に相談して、慰謝料を求めるなどの法的措置に至ることもありませんでした。数年後、結果的には弁護士に相談し、離婚に至りましたが、その間も相当な苦痛を受けてきました。
実際、弁護士を介さない協議離婚で、養育費等が不十分で貧困家庭が発生することは、長年社会問題となっております。この原因として、高額な弁護士相談費用や敷居の高さにより、早期段階で弁護士の相談を受けられないことがあると考えております。
そのため、私は、SNSやインターネットを最大活用して、弁護士にかかる労力やコストを抑え、救急病院のように利用できる法律事務所の設立をビジョンとしております。
この目標実現のため、大学では、法律家になる基礎科目として民法、民事訴訟法、憲法、商法等の法律科目を学習しており、また、研究会では、離婚後の財産分与の未払いについて研究しておりました。
そして、昨年度からは慶應義塾の法学研究所に研修生登録を致しまして、司法試験に合格するため、研究所での論文答練に参加し、塾生同士で切磋琢磨している次第でございます。
末筆ではございますが、奨学生として採用していただいたことに重ねて感謝を申し上げます。慶應義塾維持会の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。

神奈川県出身 環境情報学部4年(2022年度)


この度は、慶應義塾維持会様の奨学生として採用していただきまして誠にありがとうございます。私は昨年度も貴会の奨学生として採用していただいたことにより、学業並びに課外活動に精を注ぐことができました。以前より私の家庭は母子家庭であり、近年の新型コロナウイルスの影響により本年度も家計は好転しておりません。そのため、本年度も貴会にご支援いただきたいと思い応募いたしました。本年度も採用いただいたことを、家族一同大変感謝しております。
私自身としては、当奨学金により慶應義塾大学の学部生として過ごすことのできる最後の1年間を、より充実させたものにしていきたいと強く思います。具体的には理工学部管理工学科の研究室での活動に力を入れていきたいと考えています。私は自動車のARヘッドアップディスプレイの視認性を向上させるための研究活動を行っており、現在はVR装置を用いた実験によって複数の被験者のデータの取得に取り組んでいます。この研究テーマは企業との共同研究であるため、学術的な視点だけでなくビジネス的な視点に落とし込む必要もあり、非常に難易度の高い研究であると感じています。しかし、これらの高いハードルに屈することなく成果を上げることが1つの目標であると考えており、慶應義塾大学の理工学部だからこそ味わうことのできる貴重な機会であると捉えております。また取り組みに際しても、3年生までに学習してきたデータ解析や人間工学、プログラミングといった管理工学科ならではの複数の知見を活かして取り組むことができており、管理工学科が目指す「逆T字型の人材」を体現できる日も近いように思います。
学外における取り組みにおいては、資格の取得に注力しています。現在はITパスポートの資格勉強を行っており、今後は英語学習や証券外務員の資格勉強をすることを想定しております。来年度から銀行に就職することが決まり、私の目標である「本気の人の想いに本気で応える」という思いを達成するために本年度は特に自己研鑽に励みたいと考えております。今後とも慶應義塾大学の学生であることに自覚と誇りを持って様々な活動に精を注いでいきます。最後にはなりますが、改めまして慶應義塾維持会の皆様に深くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

神奈川県出身 理工学部4年(2022年度)


この度は、慶應義塾維持会奨学生に採用していただき誠にありがとうございます。
私は幼い頃に父を亡くし、以来、母と二人暮らしの母子家庭で育ちました。もちろん、女手一つで家庭を支えるというのは非常に厳しく、常に生活は経済的困窮の中にありました。そのような状況でしたが、私は慶應義塾で学問をしたいと強く望み、勉学へと勤しみ、一昨年、本学より合格を頂きました。しかし、大学へ入学すると、学費や生活費などこれまで以上に様々な支出が生じるようになり、家計の困窮は増すばかりでした。そのため、この度頂きました本奨学金の採用連絡は朗報という言葉では言い表せないほどありがたいものでした。一昨年、昨年に引き続き推薦していただいた維持会の皆様には心より感謝申し上げます。
今後の活動と致しましては、私は現在3年生であるため、主に卒業論文の執筆とそのための研究に励んでいく所存です。私は文学部の人間科学専攻に所属しており、ゼミナールでは「計量社会学」と「社会階層論」というものを学んでおります。前者の「計量社会学」は統計学やゲーム理論等を用いて社会の様々な事象を研究するものであり、後者の「社会階層論」は所得や学歴といった社会格差が生じる背景やその影響について研究するものです。このうち私は、後者の「社会階層論」の領域を研究したいと考えています。なぜなら、上述したように実際に困窮した生活を送り、格差の中にいた私だからこそ、研究者としての視点だけでなく当事者としての視点でも分析ができると考えたためです。そのため、社会に生じる「格差」という現象を、教育や所得、婚姻や寿命といったあらゆる側面から捉え、社会が水面化で孕んでいる階層化現象を明らかにし、納得のいく卒業論文を執筆していきたいと考えております。
このような充実した日々を過ごし、未来について思いを馳せることができるのもひとえに維持会様の御援助があってのことです。それ故、維持会の方々の御厚意、そして慶應義塾の名に恥じぬよう今後とも一層の邁進をしてゆく所存であります。
末筆ながら、神奈川県出身の私を推薦していただいたこと、引き続きの推薦をしていただいたことについて重ねて御礼申し上げますとともに、慶應義塾維持会の皆様のご健康をお祈りし、最大の感謝をここに綴らせていただきます。

神奈川県出身 文学部3年(2022年度)


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